Vol.1 / No.12クリームチームマーケティング合同会社化粧品・健康食品D2C 意思決定のカウンターパート

化粧品・健康食品 ニュースレビュー

Cosmetics & Health-Food News Review
何紙も見て回らなくていい。今週の大事なニュースだけを、やさしく解説。
2026年9月14日(月)発行収録 9/7〜9/13化粧品3・健康食品2
顧客に選ばれる理由は、商品だけで作るものではありません。贈りやすさや買いやすさと使い続けやすさ、安全に届けられる体制まで含めて設計します。今週の5本は、その条件をどこに置くかという話です。

@cosmeの調査では、化粧品を贈った経験がある人のうち28.1%がeギフトを使ったことがありました。使った人の86.0%は今後も使いたいと答えています。贈る場面に対応できることが、ブランドを選ぶ理由になります。

パラマウントベッドは睡眠を起点に美容と健康食品へ参入しました。阪急阪神百貨店は店舗とECと予約を共通IDでつなぎます。商品を売る前に、顧客の困りごとと接点をどう捉えるかが問われています。

ULTORAはプロテインの価格と定期購入の割引率を改定します。値上げは告知だけで終わりません。顧客が次も続けられると判断できる説明が必要です。

一方で東京都は、健康食品から医薬品成分を検出したと発表しました。化粧品と健康食品のD2Cでは、売る工夫と同じ重さで、商品を安全に届ける仕組みを整えなければなりません。
化粧品/ギフト・CRM

@cosmeが4,353人を調査。化粧品を贈った経験者の28.1%がeギフトを利用

アイスタイルは15〜59歳の女性4,353人を対象に、化粧品を贈る行動を調査しました。調査期間は2026年5月22日から24日です。

化粧品を贈った経験がある人は84.1%でした。このうちeギフトを使ったことがある人は28.1%です。eギフト利用者の86.0%は今後も使いたいと答えました。利用経験がない人でも55.9%が今後の利用意向を示しています。

eギフトは住所を聞かずに贈れることが特徴です。一方で受け取る人が商品を選べるか、受け取りまで迷わないかで体験は変わります。

eギフト利用経験者の86.0%が今後も利用したいと回答アイスタイル「化粧品ギフトに関する調査」(9.9・無料)
山口尚大山口の視点クリームチームマーケティング代表

ギフトでは、買う人と使う人が違います。贈る人には「これを選んで大丈夫」と思える理由が必要です。受け取る人には、自分に合うものを選べる余地が必要になります。

自社商品をギフトにするなら、まず誰に何を贈る場面なのかを決めてください。誕生日やお礼といった場面ごとに、価格帯と選び方を見せます。肌質や好みが分からない相手へ贈る場合は、受取人が選べる仕組みも用意します。

ポイント:ギフトは贈る人の不安と受け取る人の選びやすさを両方なくす。

化粧品・健康食品/新規事業

パラマウントベッドが睡眠を起点に美容・健康食品へ参入。5年後に年商30億円を目指す

パラマウントベッドは、美容と健康食品の新ブランド「Sleephoria」を立ち上げました。睡眠の悩みを起点に、ダイエットを支援するサプリメント「NemuShape」と洗顔料「I’m Your HERO Sleephoria」を展開します。

同社は新たなウェルネス事業で、5年後に年商30億円を目指すとしています。ベッドを扱ってきた会社が、睡眠環境だけでなく、眠る前と起きた後の生活にも提案を広げる動きです。

睡眠を起点に、美容・健康食品事業へ参入ネットショップ担当者フォーラム(9.7・無料)
パラマウントベッドの発表(9.3・無料)
山口尚大山口の視点クリームチームマーケティング代表

新しいカテゴリへ参入するときは、商品から考え始めないことが重要です。まず顧客がどんな場面で困っているのかを決めます。Sleephoriaは睡眠を起点に、食事や肌の手入れまで提案の範囲を広げました。

既存の会社名だけでは、新しい商品を選んでもらえません。誰のどんな悩みに向けた商品なのか。なぜ自社がそれを扱うのか。購入後にどう続けられるのか。この3点を商品ページと初回購入の案内で伝えてください。

ポイント:新規参入は商品特長より先に、顧客の困りごとと自社が応える理由を決める。

共通D2C/CRM・会員基盤

阪急阪神百貨店が店舗・EC・予約を共通IDでつなぐ。2030年に会員300万人を目標

エイチ・ツー・オー リテイリングは9月30日に新しいアプリと会員プログラムを始めます。店舗とEC、イベント予約などを「H2O ID」でつなぎます。

H2O IDでは、買い物と予約の情報をまとめて扱います。会員プログラムは年間利用額に応じて6段階に分かれます。同社は2030年に会員300万人を目指すとしています。

これはオンラインから店舗へ送客するだけのO2Oではありません。店舗とECと予約をまたいで顧客を一人として捉える、CRMとOMOの設計です。

H2O IDを通じて、購買や予約などのデータを統合エイチ・ツー・オー リテイリングの発表(9.10・無料)
山口尚大山口の視点クリームチームマーケティング代表

D2Cでも、顧客は商品ページだけを見ているわけではありません。SNSで知り、ECで買い、ポップアップで試し、メールで再購入することがあります。接点ごとに別の顧客として扱うと、案内も計測もずれていきます。

大きなアプリを作る必要はありません。まず初回購入者と定期購入者、離脱した人を同じ顧客として追える状態にしてください。購入履歴と相談履歴、メールの反応を見ながら、次に必要な案内を決めます。

ポイント:O2Oの送客で終わらせず、店舗とECと予約をまたいで顧客を一人として見る。

健康食品/価格・継続設計

ULTORAがプロテインを価格改定。定期購入の割引率も10%から8%へ変更

ULTORAは9月17日正午から「BASIC Whey Protein 810g」の価格を5,940円から6,480円へ改定します。定期購入の割引率も10%から8%に変わります。

同社はプロテインブランドから、より広い「プロテインフード」ブランドへの展開も予定しています。プロテインを飲む人だけではなく、日常の食事でたんぱく質を補う人まで対象を広げる考えです。

BASIC Whey Protein 810gを6,480円へ改定ULTORA「価格改定のお知らせ」(9.9・無料)
山口尚大山口の視点クリームチームマーケティング代表

価格改定では、新価格だけを伝えても顧客は判断できません。いつから何が変わるのか。自分の次回注文はどうなるのか。定期購入の条件はどう変わるのか。この順番で分かるようにします。

定期購入者には、変更前の条件と変更後の条件を一画面で比較できるようにしてください。解約や配送間隔の変更を隠さないことも大切です。価格が上がるときほど、顧客が自分で選び直せる状態を作ります。

ポイント:価格改定では新価格と適用日、定期条件の変更を一緒に示して顧客が選び直せるようにする。

健康食品/製品安全

東京都が健康食品から医薬品成分を検出。「MAXMAN」には販売中止と自主回収の対応

東京都は、試買した健康食品から医薬品成分を検出したと発表しました。「BLACK HORSE」からはタダラフィル、「MAXMAN」からはシルデナフィルが検出されています。

MAXMANについては、販売中止と自主回収の対応が示されました。東京都は別に、インターネットで販売されていたサプリメント形状の製品2点から指定薬物を検出したことも公表しています。

これは広告表示の問題ではありません。商品そのものの安全性と、問題が見つかったときの対応体制の問題です。

健康食品から医薬品成分を検出東京都「健康食品から医薬品成分を検出」(9.10・無料)
山口尚大山口の視点クリームチームマーケティング代表

健康食品は、表示を確認すれば十分というものではありません。原料の仕様と仕入先の確認書類、製造ロットと販売先を追える状態まで整えてください。問題が起きたときに、どの商品を止めるか判断できなければ対応が遅れます。

自社で製造していない場合も同じです。委託先任せにせず、原料と製造の確認方法を決めます。販売停止と購入者への案内を誰がいつ行うかまで、平時から決めておくことが必要です。

ポイント:健康食品は原料と製造ロットを追えるようにし、販売停止と購入者案内の手順を平時から決める。

本紙について 化粧品・健康食品の大事なニュースを毎週1ページにまとめ、むずかしい言葉をかみくだいて解説しています。
ネットショップ担当者フォーラムと企業発表、東京都の資料を確認しました。2026年9月7日から13日までに公開された情報から5件を選びました。企業発表と行政資料は一次情報です。企業発表は各社の自己申告として確認しています。業界メディアの記事は二次情報です。引用は各引用欄に記載した出典から抜粋しています。数字の詳細は各出典で確認できます。
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