Vol.1 / No.10 クリームチームマーケティング合同会社化粧品・健康食品D2C 意思決定のカウンターパート

化粧品・健康食品 ニュースレビュー

Cosmetics & Health-Food News Review
何紙も見て回らなくていい。今週の大事なニュースだけを、やさしく解説。
2026年8月24日(月)発行 収録 8/17〜8/23 健康食品1・化粧品・健康食品2・共通2
広告を増やす前に購入前後の説明がつながっているかを確認する週です。Tuissは売上の約9割を自社ECで獲得し、広告表現1,000以上を日本向けに修正しました。結わえるは月24食の玄米定期便を主力とし、D2Cサブスク事業が売上の半分を超えています。TikTokで見つけた商品を買った人の92.2%は購入前に追加情報を調べていました。ファンケルは通販顧客を店舗の肌解析へ案内します。消費者庁の調査では環境ラベル139種類のうち20種類で対象範囲が不明確でした。

8月17日から23日までの5本から広告と商品ページと購入後の案内を一つにつなぐ方法を見ます。定期購入は顧客が使う日数から数量を決めます。TikTok施策は発見後の検索とレビュー確認と販売先まで評価します。店頭体験は次のウェブ購入へ引き継ぎます。環境表示は対象部分と使用割合と根拠を同じ場所に示してください。
共通D2C/集客・自社EC運営

Tuissは売上の約9割が自社EC。広告表現1,000以上を日本向けに修正

英国発のブラインド専門店Tuissは2020年に日本へ進出した。現在は売上の約9割を自社ECが占める。Amazonと楽天市場でも販売するが、自社ECを最優先にしている。

同社の商品は注文前に生地の確認と採寸が必要になる。注文時には複数の項目を指定する。商品到着後には購入者自身が取り付ける。購入前から取り付けまでに必要な情報を自社ECへ集約した。日本の消費者に合わせて取り付けガイドも作り直している。

集客を始めた当初は海外で成果の出た広告を翻訳して使用した。「オーダーが簡単」や「高品質で低価格」といった表現では十分な反応を得られなかったという。その後は1,000以上ある広告表現を自然な日本語に修正した。「2,500以上の製品から選べる」などの具体的な表現も加えた。同社はROASが大幅に向上したと説明している。

1000以上ある広告のバリエーションを、まず自然な日本語に書き換えました。ネットショップ担当者フォーラム「知名度ゼロからDtoCで売上増のワケ」(8.17・無料)
山口尚大山口の視点クリームチームマーケティング代表

伝わらない広告を増やしても売上にはつながりません。Tuissが直したのは広告表現だけではありません。購入前には生地と採寸を確認できるようにしました。購入後には取り付け方まで自社ECで説明しています。広告と商品ページと購入後の案内が一つにつながっているから、具体的な広告表現が機能します。化粧品と健康食品でも同じです。主力商品を一つ選び、広告で示した価値が商品ページと使い方の案内まで同じ言葉で続いているかを確認してください。説明が途切れる場所を直した後に広告費を増やします。

ポイント:広告と商品ページと購入後の案内を一つの説明として設計してから集客を強める。

健康食品/CRM・事業運営

結わえるは月24食の玄米定期便を展開。D2Cサブスク事業が売上の半分超

玄米の加工食品を販売する結わえるは月24食の定期便を主力としてD2C事業を伸ばしている。日本ネット経済新聞が8月22日に報じた。D2Cサブスク事業は同社売上の半分以上を占める。定期会員数と売上高は増えているという。

主力の定期プランは1ケース24食である。1か月のうち24日間に1日1食を玄米食へ替える使い方から1回に届ける食数を決めている。買い忘れを防ぐとともにスキップと配送日変更を利用できる。3か月以上続く会員の離脱は非常に少ないとしている。

現在は茨城県の工場で月30万食を製造して出荷している。工場は月100万食を超える生産にも対応できる。会員増を支える製造余力があることも記事で示された。

売り上げの半分以上を占めるD2Cのサブスクリプション事業だ日本ネット経済新聞「結わえる、玄米パックご飯を月間30万食製造」(8.22・要無料登録)
山口尚大山口の視点クリームチームマーケティング代表

定期購入の数量は会社が一度に売りたい量から決めません。顧客が1か月に何日使うかから決めます。結わえるの月24食は1日1食を24日続ける生活場面を基準にしています。化粧品と健康食品でも次回配送の時点で商品が余ればスキップや解約のきっかけになります。自社では主力定期商品の使用日数と次回配送時の残りを確認してください。余る顧客が多い場合は1回に届ける量と配送間隔とスキップ案内を見直します。顧客が無理なく使い切れる設計が継続の土台になります。

ポイント:月24食という数字よりも顧客が実際に使う日数から定期購入の数量を決めたことを見る。

共通EC/購買行動

TikTok発見商品の購入者92.2%が購入前に追加情報を収集。ECサイトのレビュー確認が最多

PLAN-BはTikTokで見つけた商品を購入した10代から60代の男女500人を対象に購買行動を調べた。調査期間は7月3日から4日まで。ネットショップ担当者フォーラムが8月21日に報じた。

購入前に追加情報を調べた人は92.2%だった。確認した情報はECサイトのレビューが39.4%で最も多い。検索エンジンは38.4%でTikTok内の別の投稿は33.6%となった。

購入先の複数回答はAmazonが41.2%でTikTok Shopが40.6%だった。楽天市場は30.6%となった。最も利用した購入先を一つ選ぶ設問ではTikTok Shopが31.4%で最多だった。購入先を選ぶ理由はレビューや口コミの充実が33.4%で最も多い。使い慣れている安心感が29.0%で配送と返品対応への安心感が28.2%と続いた。

92.2%が何らかの情報収集を実施していましたPLAN-B「TikTok起点の購買行動調査2026」(8.19・無料)
ネットショップ担当者フォーラム「TikTokで見つけた商品はどこで買う?」(8.21・無料)
山口尚大山口の視点クリームチームマーケティング代表

TikTok施策は動画内の購入件数だけで評価しません。商品を知った後に検索とレビュー確認を挟み、別の売り場で買う人がいるからです。自社では動画公開後の指名検索と商品ページへの流入と販売先別の購入を並べて確認してください。スマートフォンで商品名を検索し、公式情報と販売ページに必要な説明が出るかもチェックします。動画で関心を持った人が確認したい情報へ迷わず進める状態をつくってから配信を広げます。

ポイント:TikTokでの購入件数だけを見ず、発見後の検索とレビュー確認と販売先までを一つの導線として評価する。

化粧品・健康食品/オムニチャネル

ファンケルが店舗と通販をつなぐ先行モデル。近隣の通販顧客を肌解析へ案内

ファンケルはそごう広島店を8月26日に改装して開店する。8月20日付の公式発表では店舗と通信販売をつなぐオムニチャネル施策の先行モデルと位置付けた。日本ネット経済新聞が8月22日に報じた。

近隣の通信販売利用者にはアプリとメールで店舗案内を出す。店頭ではAI角層解析サービス「FANCL SKIN PATCH」を使った相談へつなげる。化粧品と健康食品を組み合わせた提案も行う。

店舗利用者を通販へつなぐ施策と通販利用者を店舗へ案内する施策を組み合わせる。店舗と通販を行き来できる接点をつくり、広島エリアの顧客基盤拡大を目指す。

店舗利用のお客様を通販へ、通販利用のお客様を店舗へとつなぐファンケル「オムニチャネル連携の先行モデル店舗」(8.20・無料)
日本ネット経済新聞「ファンケル、そごう広島店を8月26日に刷新」(8.22・要無料登録)
山口尚大山口の視点クリームチームマーケティング代表

通販顧客を店舗へ呼ぶ前に店頭で何を体験してもらうかをまず決めてください。その結果を次の購入へどうつなぐかも決めます。

ファンケルの先行モデルでは通販では受けられない肌診断と相談が来店の理由になります。単なる店舗案内では顧客が足を運ぶ理由にはなりません。化粧品と健康食品のD2Cでは試用と測定と相談など店頭でしかできない体験を提供してください。来店後は相談内容に合う商品案内をウェブでもできるように情報を引き継ぎます。店頭で相談を受けた顧客が次に何を購入したかまで計測すると施策の効果を判断できます。

ポイント:店頭でしかできない体験を来店理由にする。相談内容をウェブへ引き継いで次の購入まで計測する。

化粧品・健康食品/表示規制

消費者庁が環境ラベル139種類を調査。20種類は環境配慮の対象範囲が不明確

消費者庁は8月20日に環境ラベルの実態調査報告書を公表した。幅広い業種の事業者のウェブサイトとECサイトから環境ラベル139種類を収集した。事業者と事業者団体の計15者に聞き取りを行った。第三者認証ラベルを運営する3機関にも聞き取りを行った。一般消費者1,000人への調査も実施した。

139種類のうち119種類は環境配慮の対象範囲が明確だった。残る20種類は対象が商品本体か包装か商品と包装の全体かが明確ではなかった。

環境に配慮した原材料をうたう表示は62種類あった。このうち33種類は使用割合を数値で示していた。29種類は数値を明確に示していなかった。

消費者庁は環境ラベルによって実態より著しく環境に配慮していると消費者に誤認される場合は、優良誤認表示として景品表示法上の問題になると示した。使用割合が一部なのに100%または大部分と受け取られる場合も問題となるおそれがある。

20種類(1割強)の環境ラベルは、訴求する環境配慮の対象範囲が明確ではなかった消費者庁「環境ラベルに関する実態調査報告書」(8.20・無料)
通販通信ECMO「不適切な『環境ラベル』にメス」(8.20・要無料登録)
山口尚大山口の視点クリームチームマーケティング代表

環境配慮をうたう前に何をどれだけ変えたのかを一文で説明できる状態にしてください。「環境にやさしい」だけでは商品全体を指すのか容器や包装を指すのかが分かりません。再生素材を一部に使った場合は対象部分と使用割合を同じ場所に示します。化粧品と健康食品では商品ページと広告と容器と包装にある環境表現を集めてください。各表現に対象と割合と根拠資料がそろっているかをチェックします。説明できない表現は根拠を整えるまで使用を止めます。

ポイント:「環境にやさしい」とだけ書かない。対象部分と使用割合と根拠を同じ場所に示す。

本紙について 化粧品・健康食品の大事なニュースを毎週1ページにまとめ、むずかしい言葉をかみくだいて解説しています。
主要EC媒体と企業発表と消費者庁の資料を確認しました。2026年8月17日から23日までに公開された情報から5件を選びました。企業発表と行政資料は一次情報です。企業発表は各社の自己申告として確認しています。業界紙の記事は二次情報です。引用は各引用欄に記載した出典から抜粋しています。数字の詳細は各出典で確認できます。
化粧品・健康食品 ニュースレビュー / クリームチームマーケティング合同会社