化粧品/市場・販売動向
Shopify利用事業者の美容商品、7月はアイライナー販売額155.8%増。フェイスパウダー37.1%減
Shopify Japanが8月6日、日本国内の同社サービス利用事業者の販売データを集計し、7月の販売動向を発表した。ECのミカタが12日に報じた。
美容関連では、アイライナーの販売額が6月から155.8%増え、スキンケアキット・セットも144.2%増加した。一方、フェイスパウダーは37.1%減少している。夏場に美容商品全体が同じ方向へ動いたのではなく、商品群によって売上の増減が分かれた。
調査は特定のECサービスを利用する事業者の販売データであり、国内化粧品市場全体を示すものではない。また、増減の原因を特定するデータも公表されていない。
消費者の関心や購買行動は、季節だけでなく、イベントや社会的なトレンド、商品の利用場面など、さまざまな要素によって短期間で変化します。ECのミカタ「2026年7月は暑さ関連・スポーツ・エンタメ関連商品が大きく伸長」(8.12・無料)
山口の視点クリームチームマーケティング代表
美容市場を一つの数字だけで見ると商品群ごとの増減が見えにくくなります。同じ月でもアイライナーとスキンケアセットは伸びましたがフェイスパウダーは下がりました。売上の増減だけでは原因までは分かりません。この差を把握するには集計単位を細かくする必要があります。まず直近8週間の売上と検索数、欠品、広告費を商品群別に並べます。伸びた商品については利用場面と流入元を確認します。全商品へ同じ販促を広げる前に動いた需要を特定してください。
ポイント:月次売上は商品群別に見て需要の動きと販促の効き方を確認する。
健康食品/商品・コミュニケーション
味の素、「瞬間プロテイン」では伝わらず。4.5gスティックと「プロテイン製品28g相当」へ訴求を具体化
味の素は、必須アミノ酸とホエイプロテインを配合したスティック商品「アミノバイタル アミノプロテイン」を刷新した。日本ネット経済新聞が8月11日に報じた。
従来は「すぐ飲める“瞬間”プロテイン」というコピーを使っていた。しかし、プロテインに詳しくない消費者には、商品の特徴が十分に伝わっていなかったという。そこで、持ち運びやすい4.5gのスティックであることと、市販のプロテイン製品28g相当という比較を前面に出した。
ここでいう28g相当は、1本でたんぱく質を28g摂取できるという意味ではない。商品1本のたんぱく質量は4.0g、遊離必須アミノ酸は3.4g。味の素は、ホエイプロテインを20g含む市販のプロテイン製品28gと比べ、トレーニングによるカラダづくりとリカバリーアミノ酸組成が同等だと説明している。
同社は、商品の紹介を依頼する発信者についても、フォロワー数だけで選ばず、アミノ酸や栄養に関する知識があり、製品価値を説明できる人を起用するとしている。訴求変更後の販売実績は公表されていない。
プロテインに今まで全然触れてこられなかった人にとっては、「これは何なのだろう」と思うケースが多かった日本ネット経済新聞「味の素、スティック1本で28gのプロテイン摂取」(8.11・要無料登録)
味の素公式商品情報
山口の視点クリームチームマーケティング代表
この事例では消費者が比較できる基準を置いた点に注目します。「瞬間プロテイン」は知識のある人には通じましたが未経験者には商品像が伝わりませんでした。28g相当という表現も1本でたんぱく質を28g摂れる意味ではありません。広告と商品ページとFAQの間で実際の含有量、比較条件、使用場面の説明が一致しているかを確認してください。強い数字ほど注記を離さず初見の人が誤解しない順序で示してください。この確認が商品の魅力を正しく伝えながら規制にも対応する土台になります。
ポイント:商品の強みは比較対象と条件まで示して伝える。強い数字の意味と注記を近くに置く。
共通EC/消費者調査
AIに任せたいのは商品探し37.2%。購入・決済まで任せたい人は2.2%
ネットプロテクションズのシンクタンク「NP総研」が8月4日、AIを使った購買と決済に関する調査結果を発表した。ECのミカタが10日に掲載した。
調査は、直近6カ月以内にネットショッピングで商品を購入した20歳から65歳の男女1000人を対象に、6月10日から12日まで実施した。
AIサービスを毎日使う人は16.3%、週に数回使う人は27.6%で、合計43.9%だった。一方、ほとんど使わない、または使わない人も39.7%だった。
AIに任せてもよい範囲では、「自分の好みに合いそうな商品候補を探してもらう」が37.2%、「口コミやレビューを要約してもらう」が29.0%だった。「購入・決済まで自動で完了してもらう」は2.2%にとどまり、候補探しの37.2%と35.0ポイントの開きがあった。
AIの提案と利用者の最終判断を組み合わせることが重要になる。ECのミカタ「買い物におけるAI活用『あなたへのおすすめ』が最多」(8.10・無料)
山口の視点クリームチームマーケティング代表
商品を比較できる情報を先に整えてください。調査では候補探しやレビュー要約への期待が自動購入を上回りました。化粧品と健康食品は対象者と使い方、成分と容量、価格と注意事項を比べないと選びにくい商品です。主力5商品について「誰向けか」「何に使うか」「何日分か」「注意点は何か」を同じ順序で整理してください。自社サイトの説明が人に読みやすくAIにも解釈しやすい状態かを点検します。調査対象はネット購入経験者1000人に限られるため全消費者の意向とは言えません。
ポイント:主力5商品の説明項目をそろえて人にもAIにも比較しやすくする。
化粧品/CRM・キャンペーン
LIPSとマツキヨココカラ、応募までにアプリ連携と5日間の参加を設定
美容プラットフォーム「LIPS」を運営するAppBrewは8月16日、マツキヨココカラと共同で、キャラクターを起用したキャンペーンを開始した。期間は9月15日まで。
応募するには、マツキヨココカラ公式アプリとLIPSアプリのアカウントを連携し、LIPSアプリ内のデイリーミッションを5日間達成する必要がある。その後、クイズに回答すると、抽選で100人にコスメボックスと化粧筆が当たる。
アプリのデザインも期間限定でキャラクター仕様に変更する。一度の応募だけで終わらせず、アカウント連携と5日間の再訪を参加条件に組み込んだ企画である。
ただし、アカウント連携率、5日間の達成率、途中離脱率、連携後の購入実績は公表されていない。参加条件が継続利用につながるか、応募の負担になるかは現時点では判断できない。
LIPSアプリ内のデイリーミッションを5日間クリアすると、クイズへの応募が可能になる。PR TIMES・AppBrew「マツキヨココカラでLIPS×ちいかわキャンペーンを実施中!」(8.16・無料)
山口の視点クリームチームマーケティング代表
参加条件の置き方に注目したい事例です。応募には二つのアプリのアカウント連携と5日間のミッション完了が必要です。接触から登録と再訪までを一つの企画に組み込んでいます。参加率や途中離脱、連携後の購買は公表されていません。条件を増やしても関与が深まるとは限りません。応募前に離れる人も出ます。自社キャンペーンでは閲覧数から登録開始、登録完了、再訪、購入までを順に追ってください。応募総数だけで評価せずどの段階まで顧客との関係が残ったかを判断してください。
ポイント:企画は登録から再訪と購入までの離脱を段階別に測る。
化粧品・健康食品/事業運営
武内製薬、売上高50億円超。EC65%、OEM35%で両事業が増収
化粧品、健康食品、プロテインなどの自社ブランドとOEM事業を展開する武内製薬の2026年3月期売上高が、前期比10%増の50億円を超えた。日本ネット経済新聞が8月11日に報じた。
売上構成はECが約65%、OEMが約35%。両事業が増収となった。OEM事業では、既存取引先の販売増加に伴って受託額が増えたほか、対応できる商品群を広げたことが新規案件の獲得につながったという。
資材の調達では、中国語を話せる担当者を配置し、基準を設けて現地工場を監査している。容器やパウチなどの資材を中国の工場と連携して調達し、原価と納期の改善を図る。
ECの増収にはソーシャルコマースも寄与したとしている。ただし、ECとOEMの事業別利益、広告費、顧客獲得単価、継続率は記事で公表されていない。売上構成だけで、どちらの事業の収益性が高いかは判断できない。
ざっくり言うと「ECが65%、OEMが35%」くらいの割合だ。比率としてはOEMが年々高まってきている状況だ。日本ネット経済新聞「武内製薬、前期売上50億円超」(8.11・要無料登録)
山口の視点クリームチームマーケティング代表
ECとOEMを支える共通の事業能力に注目したい事例です。ECでは顧客の反応を早く確かめられます。OEMでは調達と製造、品質管理の経験と取引の積み重ねが収益につながります。記事からは二つの事業がどの知見を共有しているかまでは分かりません。まず自社の強みを商品企画と調達、製造、販売、顧客対応に分けて整理してください。その中から外部にも提供できる能力を一つ選びます。顧客価値を損なわずに収益源を増やせるかは実行責任者と必要な人員まで含めて検討してください。
ポイント:事業の柱は自社販売で磨いた能力を起点に増やす。